Permanent exhibit ・Artist
常設展示・作家
香りの演出
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吉武 利文 【よしたけ としふみ】
著書 |
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感覚ミュージアムの香り計画
人間の五感の中でも嗅覚で感じる匂いや香りは、目に見えないものであり、不確かで曖昧な存在かもしれません。 しかし不確かな故に私たちの日常生活に潤いを与え、豊かなイマジネーションをかきたてるものであります。
感覚ミュージアムにおいても、随所でこうした匂いや香りを体験していただけるように計画しています。 特に岩出山の四季折々の自然の中の匂いや香りをイメージしたものが多くあります。
「灯台基暗し」といいますが、案外自分の住んでいる町の匂いや香りは、あまりにも身近で気がつかないものです。 感覚ミュージアムでの嗅覚体験を通して、岩出山の自然の豊かさの再認識ができたらと思います。
また現代という時代は、物質文明の発達により、自然の中で生かされているという人間存在の本来の姿を見失ってしまったところに、様々ないき詰まり現象が起こってきているように感じられます。
自分が生きる以前にいかされているという実感は、理性だけでなく感性、感覚によって得られるものです。そこに嗅覚のような原始的な感覚の今日的な意味もあるのではないのでしょうか。
ある匂いや香りを嗅いで、過去の記憶がまざまざと甦ってくることがあります。(香りの履歴現象とも呼ばれて います。)このような匂いや香りの存在は、人々の人生の記憶を再現してくれるばかりでなく、人間存在の本来の意味をも気付かせてくれるのかもしれません。
ホモ サピエンスという意味は、匂いを感じる、あるいは味と香気を受けるという意味であったそうですが、何か象徴的に思えます。
人間存在の再認識といいますと大げさですが、感覚ミュージアムにおける匂いや香りの体験が、自然の中で生かされていることの気付きとなりましたら幸いです。